マタニティピラティスについてのガイドライン
待ちに待った妊娠、けれど身体の思わぬ変化や、動けない自身に戸惑うこともあります。
特につわりによる、体調不良は本当に辛いものですね。
いつか必ず落ち着く日は来ますから、その日まで無理せずに過ごす事を大切になさってください。
安全に運動を楽しみながらマタニティライフをお過ごしいただけるよう、セリーンピラティスではガイドラインを設けております。
運動の開始について
母児の条件
現在の妊娠経過が正常で,かつ以下の条件を満たしていることをご確認ください
1)後期流産・早産の既往がないこと
2)偶発合併症,産科合併症がないこと
※心疾患・呼吸器疾患など母体偶発合併症に加え,切迫流早産,子宮頸管無力症,頸管長短縮,前期破水,前置胎盤,低置胎盤,妊娠高血圧症候群などは早産,胎児発育不全,子宮内胎児死亡などのリスクが高く,スポーツを勧めることはできません
3)単胎妊娠で胎児の発育に異常が認められないこと
4)妊娠 12 週以降,安定期に入り、医師から運動の許可を得ていること
運動する環境
1)暑熱環境下で行うものは避け温度管理をヒアリングしながら行う
2)妊娠前とは重心が変化するため、落下転倒のリスクのあるもの、重心移動が少なく平坦な場所で行う
3)ジャンプなどを避けつつ軽い有酸素運動や低強度のエクササイズを選ぶ
妊婦スポーツに適した時間帯
1)子宮収縮出現頻度が少ない午前 10 時から午後 2 時頃までに行う
2)週 2~3 回で、1 回の運動時間は 30~40 分以内で行う
※何かあったときに外来受診できる時間は平日であれば16時までを想定し予約を承る
避ける動き(禁忌動作)
1)長時間仰臥位になるような運動は避ける.
就寝時の寝方を確認し、横向きの場合はお腹の下に必ずクッションを引き腰椎の回旋を防ぐ
※仰臥位になると腹部大動脈や下大静脈を圧迫するようになる
下肢の静脈還流が悪くなり低血圧になる仰臥位低血圧症候群には注意が必要
めまい、顔面蒼白、お腹の張り、呼吸困難などがおきた場合は直ちに中止し、産院へ対応を仰ぐ
2)過度な腹筋運動
カールアップなど床から頭を起こすような過度な腹筋は
腹直筋が正中の白線から離れてしまう「腹直筋離開」を引き起こすリスクがあり、腰痛や骨盤の不安定さを引き起こす
※十月十日(とつきとおか)胎児を支えるために必要な腹筋の使い方を練習する
3)ストレッチ
靭帯をはじめとする軟部組織を傷める可能性があるため、過度なストレッチは控える
個人差はあるが、リラキシン(ホルモン)の影響で後期は特に強靭な靭帯や筋、などの軟部組織の柔軟性が向上する事に加え、胎児の重力により関節が動きやすく、恥骨痛、仙腸関節痛などの原因にもなる
※分べん台に上がるための股関節の可動性
日本の分べん台は母子の安全面を考慮したうえで足を大きく開きく形式であり、関節弛緩を助長するような過度なストレッチは避けるが、分娩時を想定した骨盤の動かし方、股関節の可動域や、怒責による骨盤底損傷、産後に起こりえる骨盤底のマネージメントを共有することも非常に重要と考えています
お持物
1)毎回、母子手帳の持参のお願いと、緊急連絡先(病院)を必ず伺っています
マタニティピラティスのメリット
妊婦の妊娠転帰に対するピラティスの効果に関する介入プログラムの設計:プロトコル研究についての論文
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33241165/
ピラティスエクササイズを通して、関節の可動性や安定性を高める事ができ腰痛や、浮腫み軽減、メンタルヘルスにおいての効果が考えられます
ただ、一定のリスクも存在する為、上記を確認し理解した上で実施をすることを大切にしております
マタニティピラティス 1時間後の変化
股関節を安全に動かし、お腹を自分の力で支えるための動かし方を練習したことでお腹のラインに変化が出ました
張りやすく、むくみやすいふくらはぎ、脊柱の筋緊張を緩和していきました
腰を反らせない立ち方や歩き方の練習も行います
大きくなる胸や頭の位置の変化により肩こりが頻発しやすく、胸郭&肩甲骨周辺の安定性、可動性を出していきます
代表ERI
骨盤の位置を正しくすることは、お腹の皮が伸びすぎることを防ぎ、産後のケアに繋がります
とこちゃんベルトに頼らず快適に3人目のマタニティライフを楽しむことができました
お客様のお声
自分の身体の状態が詳しく知れたのと、終わった後の全身が軽くなってスッキリしてすごい良かったです^ ^
参考文献
妊婦スポーツの安全管理基準
https://www.rinspo.jp/files/proposal_28-1-01.pdf
分娩時から始める骨盤底ケア(ペリネイタルケア2023,3月号)
理学療法士のためのウィメンズヘルス運動療法
エビデンスに基づく骨盤底の理学療法